宇梶剛士主宰の劇団「PATHOS PACK(パトスパック)」が、2019年に東京で初演し、21年夏に北海道3カ所で上演した舞台「永遠ノ矢(トワノアイ)」をスクリーン上映。 宇梶が作・演出を手がけ、自身のルーツのひとつである北海道、そしてアイヌをテーマに、遠い昔より北の大地で紡がれてきた先人たちの思いを受け、現代を生きる青年の成長が描かれる。 母方の祖父の葬儀に出席した菅野家の次男・海は、長男の一矢が葬儀に出席していないこと、20年前に亡くなった海たちの父親の墓を建てていないことを叔父から責められる。最初は叔父の言葉を受け流していた海だったが、興奮した叔父が発した、海の3歳下の妹・環菜が本当の兄妹ではないという言葉に、衝撃を受ける。母親に真実を問うても埒があかないことから、海は不仲の長男・一矢に会うため、北海道に旅立つ。一矢は亡き父の故郷で、先祖代々受け継がれてきた矢筒の伝承をたどろうとしていた。その伝承とは、自分たちの先祖である弓の名手・イソンクルが、敵の将を射ずに、矢を捨てて姿を消したという言い伝えだった。